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不服申立サポート

1 はじめに

個人並びに法人で商売をやっていると税務調査を受けることがあります。
現金商売だと無予告で税務調査を受けることさえあります。
無予告調査については7.で詳しくお話します。
さて、税務調査後、税務署より指摘事項があると、
修正申告してくださいと言われます。
税務署の言うことがもっともだと思うのであれば、修正すればよいのですが、
そうでなければ、自分の考えを主張して、修正する必要はありません。
納税者が修正に応じないと、税務署は再度検討して、
納税者の主張を認めるか、更正処分という形で強行的に課税処分を行います。
ここから、納税者の不服申立が始まります。

2 異議申立

税務調査で納税者と税務署の間で見解の相違が生じた時、
安易に修正申告するのは、考えものです。
自分の考えをしっかり主張して、税務署に再度検討させ、
税務署からの通知を待っても遅くはありません。
税務署が課税処分を決定すると更正処分の通知書が送られてきます。
この更正処分に対しては、通知された税金を一旦納付しなければなりません。
そして、取り返す手続に入るのです。
その第一歩が税務署長に対する異議申立です。
異議申立は更正通知を受けた日の翌日から2か月以内にしなければなりません。
異議申立をすると税務署内部の第三者機関とされる審理専門官によって
再調査がおこなわれます。
この段階で納税者の主張が通れば、税金が還付されることになります。

3 審査請求

異議申立てをしても、納税者の主張が通らなかった時は、
異議決定書の謄本が送達された日の翌日から起算して1か月以内に、
国税不服審判所に審査請求をすることができます。
審査請求をすると、国税不服審判署の審判官によって再調査が行われ、
後の税務訴訟に備えて、納税者と税務署の争点整理が行われます。
国税不服審判所では3人の審判官の合議で審判されます。
ここで、納税者の主張が通ると税金が還付されます。

4 地方裁判所へ訴状提出 

審査請求をしても、納税者の主張が通らなかった時は、
国税不服審判所の裁決があった日の翌日から6か月以内に
地方裁判所に取消訴訟を提起することができます。
地方裁判所では主に課税要件事実があったか否かの
事実認定の作業に重点が置かれます。
2か月ぐらいの間隔で口頭弁論が開かれます。
口頭弁論と言っても、ほとんど準備書面のやりとりで、
法廷にいる時間は10分程度です。
ただし、証人尋問等が行われる時は1〜2時間かかります。
納税者が勝訴して国が控訴しなければ税金が還付されます。

5 高等裁判所へ控訴

地方裁判所で請求が棄却され敗訴したら、
判決書正本(謄本)の送達を受けた日の翌日から起算して14日以内に
高等裁判所へ控訴することができます。
控訴状を提出してから50日以内に控訴理由書を提出します。
控訴審の審判対象は、地方裁判所判決の当否であり、
基本的には地方裁判所での判決が正しいか否かを判断するために
必要な限度で行われます。
控訴審で勝訴して国が上告しなかったら税金が還付されます。

6 最高裁判所へ上告

控訴審で敗訴したら控訴審判決の送達を受けた日の翌日から起算して
14日以内に上告することが出来ます。
上告受理申立書は、上告受理申立て通知書の送達を受けた日の翌日から起算して50日以内に提出しなければなりません。
ただし、最高裁判所は法律審と呼ばれ下記の場合に該当する時にしか
上告できません。
したがって、事実認定に関しては、控訴審で終結します。
@ 控訴審判決に憲法違反がある場合
A控訴審判決に法令解釈の誤りで重要なものがある場合
上告審で勝訴すれば税金が還付されます。

7 無予告調査について

通常の税務調査は任意調査であり、事前に調査日時が通知されます。
納税者は税務調査には協力しなければなりません。
協力しないと1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられます。
現金商売をしているところには無予告で税務調査が入ることがあります。
任意調査ですから、拒否することもできます。
税理士を頼んでいる納税者におかれましては「うちは税理士を頼んでいるから、
税理士立会いのもとで、後日調査してください。」とお願いしてみてください。
強制調査でない限り、納税者の承諾がなければ、調査を強行することはできません。
残念ながら、現行制度では、無予告調査は違法ではありません。
しかしながら、あくまで任意調査ですから、納税者の承諾を得ないで
強制調査のごとく税務調査が行われた場合には、
後日、納税者が国家賠償請求訴訟を起こすと
国から損害賠償金を勝ち取ることができます。

8 税理士補佐人制度

平成13年の税理士法の一部改正により、税理士は、租税に関する事項について、
裁判所の許可を要することなく、弁護士である訴訟代理人とともに
補佐人として裁判所に出頭し、陳述することができるようになりました。
この改正により、弁護士と税理士が協力して税務訴訟に取り組むことが多くなり、
税務訴訟の勝訴率が上がって来ています。

9 おわりに

税理士補佐人制度の成立により、弁護士と税理士が協力して
税務訴訟を起こし勝訴することが多くなってきていますが、
これらは、ほとんど大企業の事例です。
小規模な事業者にとって弁護士と税理士の両方へ報酬を払うことは不可能です。
弁護士報酬は一審当たり最低でも50万円ぐらいです。
ですから、200万円以下の課税処分に対しては税理士が単独で
訴訟を起こせるような制度を構築すべきだと思います。  
ただし、現行制度においても民事訴訟法60条の補佐人申請をして
裁判所が許可してくれれば税理士が単独で納税者の補佐となることができます。
ただし、弁護士のように訴訟代理人として1人で裁判所に出廷することはできません。
納税者と共に出廷することになります。また、補佐人は証人尋問はできません。
当事務所は積極的に税務訴訟に取り組んでおります。
また、一日も早く、税理士が単独で税務訴訟が起こせる日が来るのを
待ち望んでおります。

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